自信がない営業は、ルーティーンを持っていない。私が「調子の波」を乗りこなし、トップセールスであり続けるための実践録

はじめに:あなたは、まだ「今日の気分」で戦っていますか?

「よし、今日はなんだか調子がいいぞ」 「ダメだ…今日は何をしても上手くいかない気がする」

こんにちは、美咲詩乃です。

以前の記事👉『【もう限界】営業のストレスで潰れる前に。』では、私が心身の限界から自分を立て直したお話をしました。

しかし、ストレスから解放され、パフォーマンスが「マイナス」から「ゼロ」に戻った私を次に待っていたのは、自分ではコントロールできない「調子の波」という、新たな壁でした。

成果が出た翌週には、全くアポが取れなくなる。お客様に褒められたかと思えば、次の商談では頭が真っ白になる。そんな「良い自分」と「悪い自分」が、日替わりで現れるような感覚。それは、確固たる自信が持てない、という新たな苦しみでした。

もしあなたが今、「自分の実力は、その日のコンディション次第だ」と感じ、安定しない成績に不安を抱いているなら、この記事はあなたのためのものです。

これは、そんな私が「調子の波」を完全に乗りこなし、安定して成果を出し続けるトップセールスへと変貌を遂げた、「ルーティーン」という最強の武器についての物語。そして、その根底にある「自分との約束」という、本質的なテーマについての、私の実践録です。

第1章:なぜ、あなたのパフォーマンスは安定しないのか?

以前の私は、自分の成果を「気分」や「体調」といった、極めて曖昧なもののせいにしていました。

  • 上手くいった日: 「今日は頭が冴えていた」「お客様との相性が良かった」
  • 上手くいかなかった日: 「寝不足だったかも」「なんだか気分が乗らなかった」

一見、自己分析をしているように見えますが、これは思考停止です。なぜなら、その原因の全てが「自分ではコントロールできないもの」だからです。これでは、パフォーマンスを安定させるための具体的な次の一手が、永遠に見つかるはずがありません。

そんな時、当時の上司であった筒井さんから、私の営業人生の第二の転機となる言葉をかけられました。

第2章:筒井さんの教え「自信は、積み上げるものだ」

「美咲さん、トップセールスは才能で売るんじゃなくて仕組みで売るんだ。そして、自分をコントロールするための最強の仕組みが『ルーティーン』だよ」

筒井さんは続けました。

「多くの営業は、自信を他人からの評価や、一時的な成功体験から得ようとする。でも、そんなものは脆い。本当の自信とは、『自分との小さな約束を、毎日、愚直に守り続けること』でしか積み上がらない。ルーティーンとは、そのための最も効果的なトレーニングなんだ」

衝撃でした。 私にとってルーティーンとは、単なる「日課」や「ゲン担ぎ」のようなものでした。しかし、筒井さんの言葉で、それは「折れない自信」を自らの手で建築するための、極めて戦略的な「設計図」なのだと理解したのです。

第3-章:私の「自分との約束」を実装した4つのルーティーン

その日から、私は自分の1日を再設計しました。それは、単なる行動のリストではありません。一つひとつが「自分との約束」が込められた、神聖な儀式でした。

①【朝の約束】最高の自分で1日をスタートさせる

  • 6:00 起床、朝日を浴びながら白湯を飲む: これは、「今日の自分を、最高のコンディションで始動させる」という約束です。強制的に交感神経のスイッチを入れ、心と体を戦闘モードへと切り替えます。
  • 決まった朝食を、決まった時間に食べる: 毎朝同じメニュー(私の場合は、オートミールとプロテインでした)を摂ることで、「今日も自分をコントロールできている」という小さな成功体験を、一日の最初に味わう。これが、その日一日の精神的な安定剤になりました。

②【出社後の約束】昨日の自分を毎日超えていく

  • 8:00 出社、新聞を読む: 私のオフィスは家から15分と近かったので、誰よりも早く出社し、始業前に新聞を読む時間を確保しました。これは、筒井さんから勧められて始めたルーティーンです。 正直、最初は活字に慣れず、興味のある記事を拾い読みするのが精一杯でした。でも、筒井さんは「それでいい」と言いました。 「多くのビジネス書は、時事ネタを話題作りのために読めと言う。でも、それだけじゃない。**今までやってこなかった、少しハードルの高いことを『やると決めて、やり抜くこと』自体に意味がある。**新聞を読む意味なんて、後からついてくる」 この言葉通り、毎日続けるうちに、社会全体の動きと自分の仕事が繋がって見える瞬間が増えていきました。何より、「今日もやり抜いた」という事実が、朝の自信をさらに強固なものにしてくれました。

③【商談前の約束】お客様の成功に100%集中する

  • 準備の後、好きな音楽を聴いてリラックスする: 意外に思われるかもしれませんが、これが私のパフォーマンスを最も飛躍させたルーティーンです。 かつての私は、商談直前まで資料を読み込み、頭をパンパンにしていました。しかし、筒井さんから「準備を万全にした後は、一度思考をフラットにしろ」と教わりました。 お客様のオフィスへ向かう電車の中、好きな音楽を聴いて一度完全にリラックスする。この時間を作ることで、ガチガチに固めた「自分の言いたいこと」から解放され、お客様の言葉や表情に100%集中できるようになったのです。 この「準備とリラックス」のセットが、お客様の本当の目的や課題を発見するための、とっさの閃きや深い質問に繋がるようになりました。

④【夜の約束】今日をリセットし、明日を万全に迎える

  • 1日の振り返りとリセット: ストレス対策の記事でも触れましたが、夜の時間は私にとって、一日の戦闘モードを解除し、明日への準備を整えるための大切な儀式でした。リラックス効果のある音楽を聴きながら、お気に入りのハーブティーを飲む。そして、どんなに仕事が残っていても、23時には必ずベッドに入る。 これは、「今日の失敗や後悔を、明日に持ち越さない」という、自分との約束です。たとえその日、上手くいかないことがあっても、このルーティーンを守ることで、「大丈夫、また明日リセットして頑張れる」と、心を強制的に未来に向けることができました。この夜の儀式がなければ、朝のポジティブなスタートもなかったと思います。

第4章:「できた」の積み重ねが、私をトップセールスにした

これらのルーティーンを始めて、私のパフォーマンスは劇的に安定しました。 なぜなら、もう「今日の気分」という不確かなものに依存する必要がなくなったからです。

  • 気分が乗らない日でも、朝のルーティーンが私を強制的にONにしてくれる。
  • 不安な商談の前でも、音楽を聴けば心がフラットに戻る。
  • 落ち込んだ日でも、夜のルーティーンが全てをリセットしてくれる。

そして、何よりも大きかったのは、「今日も、自分で決めた約束を守れた」という事実の積み重ねです。

1日、また1日と、自分との約束を守り続ける。その地道な繰り返しが、いつしか「私は、やると決めたことはやり抜ける人間だ」という、揺るぎない自己信頼へと変わっていきました。

第5章:自信が、私の「見える世界」を変えた

自分との約束を守り続けることで手に入れた「自信」は、単に私の心を強くしただけではありませんでした。それは、私の立ち居振る舞いを変え、仕事の捉え方を変え、そして周囲からの評価という、見える世界そのものを根底から変えてしまったのです。

①「恐怖」が「チャンス」に変わった日

ある日、誰もが避けたがるような、厳しいことで有名なクライアントの担当を任されることになりました。以前の私なら、「なぜ私が…」と恐怖で夜も眠れなかったはずです。

しかし、その時の私は違いました。心の中に、静かな高揚感が芽生えていることに気づいたのです。

「この難易度の高いお客様に認めていただけたら、私は営業としてもう一段階、上のステージに行けるかもしれない」

ルーティーンによって築かれた「私は大丈夫だ」という自己信頼が、目の前の困難を「恐怖」ではなく「成長のチャンス」として捉えることを可能にしたのです。

これは、筒井さんが常々語っている「起こった出来事をどう定義し、意味づけるか」というマインドセットそのものでした。頭では理解していても、実践できなかったあの考え方を、ルーティーンによって得た自信が、ようやく私の血肉に変えてくれた瞬間でした。

②「格」が上がり、お客様が私をパートナーとして認め始めた

自信は、私の立ち居振る舞いにも、明確な変化をもたらしました。

以前は、お客様の前でどこかオドオドし、声も上ずりがちでした。しかし、自分との約束を守り続けているという事実が、私の背筋を伸ばし、声にハリを与え、言葉の一つひとつに重みを持たせてくれたのです。

それは「傲慢」になることとは全く違います。むしろ逆で、どっしりと構えることができるようになったからこそ、お客様の話を、より深く、落ち着いて聞けるようになったのです。

すると、不思議なことが起こりました。 お客様が、私を単なる「出入りの営業」としてではなく、「事業の相談ができる、対等なパートナー」として扱ってくれるようになったのです。

「美咲さん、ちょっと相談があるんだけど…」

この一言をいただいた時、私は確信しました。私が積み上げてきた自信は、私自身の「格」となり、お客様との関係性を、より高い次元へと引き上げてくれたのだと。

まとめ:最強の武器は、あなたの「習慣」だ

私が手に入れた「折れない自信」の正体は、特別な才能ではありませんでした。 それは、“自分との約束を守り続けたという、日々の事実”でした。

もしあなたが、安定しない成績に悩み、確固たる自信を持てずにいるのなら、まずは一つでいい、自分との小さな約束事を決めて、それを守り続けてみてください。

「朝、決まった時間に起きる」 「寝る前に、10分だけ本を読む」

どんなに小さなことでも構いません。 その地道な実践こそが、筒井さんの提唱する『折れない自信の作り方』の何よりの証明です。その本質的な理論については、ぜひ筒井さんの記事を読んで、あなたの血肉に変えてください。

あなたの自信は、誰かから与えられるものではありません。 あなた自身の日々の「習慣」によって、積み上げるものなのです。

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