【受注率2.8倍】なぜトップ営業は「2人」で仕掛けるのか?凡人を天才に変えるユニット営業の構造設計

この記事でわかること
2名営業が機能しない理由は「3つの致命的な誤解」にある
ユニット営業の本質は「1対1の対決」→「2対1の共創」への構図転換にある
キャスティング・掛け合い・良い警官悪い警官の3技術で受注率が2〜3倍になる
はじめに:あなたの「2名営業」が、ただの"頭数合わせ"で終わる理由
この言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべるでしょうか。多くの現場では「新人研修のためのOJT同行」あるいは「大型案件だから念のため上司が同席する」といった、どこか受動的で補助的な意味合いで捉えられています。
しかし、私が長年の実践と300名以上の営業育成を通じて確信しているのは、真のユニット営業(2名営業)とは、そうした単なる"頭数合わせ"とは全く次元の異なる、極めて攻撃的で、科学的な戦術であるという事実です。
役割と連携による「掛け算」の効果を生み出します。
第1章:なぜ、あなたのユニット営業は機能しないのか?3つの致命的な誤解
📍 成果の出ないユニット営業には、必ず共通した「誤解」があります。
第2章:ユニット営業の本質 ─「1対1の対決」から「2対1の共創」へ
📍 商談の構図を根本から変えることが、ユニット営業の本質です。
通常の商談は「営業担当 vs 顧客」という「1対1の対決」の構図になりがちです。営業は説得しようとし、顧客は警戒します。ユニット営業が目指すのは、この構図を「(専門家チーム) vs (顧客の課題)」という「共創」の構図へと転換することです。
📊 ユニット営業が変える「商談の構図」
構図
転換
→
この「共創」という劇場を創り上げるために不可欠なのが、次の3つの要素です。
①役割設定(キャスティング):誰が、どの専門家を演じるのか
②掛け合い(シナジー):役割の違う2人が、どう連携して価値を最大化するのか
③フォローアップ・クロージング:いかにして、チームとして顧客の決断を後押しするのか
第3章:受注率を2倍にする「役割設定(キャスティング)」の技術
📍 ユニット営業の成否は、商談前の「役割設定」で9割決まります。
| 業界 | 戦略家(営業担当) | 戦術家(専門家) | 顧客への印象 |
|---|---|---|---|
| WEB制作 | ビジネス課題を握る 営業担当 |
技術・現場視点で深掘り Webディレクター |
ビジネスと現場の両方を担保するパートナー |
| 保険 | 定性的な想いに寄り添う ライフプランナー |
定量的な事実で最適プランを提示 FP |
夢と現実の両方に寄り添うチーム |
| 不動産 (注文住宅) |
予算・資金計画を管理 営業担当 |
夢を形にするクリエイター 設計士・インテリアコーディネーター |
予算という現実と夢の両方を実現するプロ集団 |
パターン1:WEB制作会社の場合
戦略家(営業担当)
「ビジネスの成功」を握る
顧客のビジネス課題(売上・利益・採用)をヒアリングし、プロジェクト全体の目的を設定する
戦術家(Webディレクター)
「現場の実現性」を語る
技術的な実現可能性とSEO・UI/UXなど具体的な施策を語る
パターン2:保険会社の場合
ライフプランナー
「定性的な想い」に寄り添う
家族構成・将来の夢・不安といった感情的な部分に共感するパートナー
FP(ファイナンシャルプランナー)
「定量的な事実」で支える
税金・資産運用・社会保障制度に基づき、客観的で最適なプランを提示する専門家
パターン3:不動産会社(注文住宅)の場合
営業担当
「現実的な制約」を管理する
予算・ライフプラン・資金計画・土地探しといった現実的な部分を担うプロジェクトマネージャー
設計士・インテリアコーディネーター
「夢を形にする」クリエイター
「こんな暮らしがしたい」という曖昧な想いを、具体的な間取りやデザインに落とし込む
💡 服装も役割設定の一部
営業担当はきっちりとしたスーツ、専門家は少しラフなジャケットスタイル。この服装のコントラストが「現場感」と「ビジネス感」の両方を演出し、それぞれの役割のリアリティを無意識のうちに顧客に伝えます。キャスティングは、商談が始まる前から始まっています。
第4章:顧客を虜にする「掛け合い(シナジー)」の作り方
📍 役割の違いを活かした「掛け合い」で、1+1を3以上の力に変えます。
完璧なキャスティングができたら、次はいよいよ本番の「掛け合い」です。WEB制作会社の例で見ていきましょう。
フェーズ1:ヒアリング
✅ 成功する掛け合いの例
営業担当(戦略家)
「今回のWebサイトリニューアルにおける、ビジネス上の最終的なゴールはどこに設定されているか、お伺いできますでしょうか?」
顧客
「新規のお問い合わせ件数を、月10件から30件に引き上げたいんです」
ディレクター(戦術家)が深掘り
「現場の視点から一つお伺いしたいのですが、現在お問い合わせに至っているお客様は、どのようなキーワードで検索されているか、データはございますか?ここの解像度が低いと、せっかくサイトを綺麗にしても、的外れな集客になってしまう可能性があるんです」
顧客は「ビジネスの視点」と「現場の視点」という2つの角度から自社の課題を分析してもらえていると感じ、一気に信頼を深めます。
フェーズ2:プレゼンテーションと質疑応答
✅ 「第三者話法」の掛け合いの例
顧客からの専門的な質問
「このCMSを使った場合、本当にページの表示速度は担保されるのでしょうか?」
営業担当がディレクターに「パス」を出す
「非常に重要なご質問です。その点については、実際に現場で開発を指揮しているディレクターから、より詳しくご説明させていただけますでしょうか」
ディレクターが「第三者の専門家」として答える
「弊社の過去事例では、同様の構成で構築したA社のサイトで、GoogleのPageSpeed Insightsスコア92点を記録しています。御社の場合は、画像圧縮を徹底すれば、同等以上のスコアは十分に達成可能だと判断しています」
営業担当が自分で答えず、専門家にパスを出す「第三者話法」がチーム内で行われることで、提案の信憑性とリアリティが飛躍的に高まります。
第5章:【奥義】詰んだ商談を覆す「フォローアップ・クロージング」
📍 ユニット営業が真価を発揮するのが、商談の最終盤面です。
「良い警官・悪い警官」という布陣を、営業のクロージングに応用します。
📊 クロージングの奥義 ── 「良い警官・悪い警官」の構図
STEP 1 営業担当が決断を迫る → 顧客が悩む
STEP 2 専門家が「良い警官」として助け舟を出す
「お気持ちお察しします。現場として、何とかご支援できることはないか検討させてください」
🔄 構図が劇的に変化 「営業 vs 顧客」 → 「(専門家+顧客)vs 営業(会社)」
✅ 顧客が専門家を「自分の味方」と認識
→ 心を開き、受注へ
✅ 詰んだ商談も「仕切り直し」で復活
→ 失注リスクを極限まで低減
ユニット営業最大の強み:「仕切り直し」ができること
一人で営業していると、一度「今日決めてください」と詰めてしまい、断られたらもう後がありません。しかしユニット営業なら、この詰んだ状況をリセットできます。
まとめ:ユニット営業は「最高の顧客体験」を設計する技術である
| # | 要点 |
|---|---|
| 01 | ユニット営業は「頭数合わせ」ではなく、顧客との関係を「共創」へと転換する高度な戦術 |
| 02 | 成功の9割は商談前の「役割設定(キャスティング)」で決まる。自社のサービスに合わせて最強の組み合わせを設計する |
| 03 | 商談中は役割の違いを活かした「掛け合い」と「第三者話法」で、提案のリアリティと信頼性を最大化する |
| 04 | クロージングでは「良い警官・悪い警官」の役割を演じ分け、詰んだ商談さえも「仕切り直す」ことで受注へ導く |
「ただの同行者」ではなく「最高のパートナー」として捉えることから始めてください。
あなたの組織でユニット営業は正しく設計されていますか?
コメント欄で教えてください。あなたの業界に合わせたキャスティングを一緒に考えます。
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Written by
筒井 環
営業組織設計家 / レベニュー・アーキテクト
300名超の営業組織を設計・育成。東証プライム上場AI企業でセールスイネーブルメントを推進後、独立。受注率改善・組織立ち上げ・営業教育の設計を専門とする。

